クレジットカードの審査とは? 基準や落とされる理由について解説
クレジットカードの審査はどのようにして行われるのでしょうか?審査の基準、流れ、審査落ちとされる場合の理由、審査に通るためのポイントなど、クレジットカードの審査に関する気になることについて解説します。
目次
クレジットカードの審査がないカード、ゆるいカードはある?
まず、審査が一切ないクレジットカードというのは存在しません。もしも審査なしでカードを発行すると、カード会社は利用者が返済できるかどうかを事前に見きわめることができません。その結果、カード会社が負う貸し倒れリスクが高くなってしまいます。
ただし、審査の厳しさはカード会社やカードのランクによって異なります。一般的に最も審査が厳しいのは銀行系のクレジットカード、次が交通系・鉄道系のクレジットカード、そして信販系、流通系といわれています。カードのランクは高いほど審査が厳しいです。特に審査が厳しいのはブラックカードやプラチナカードで、次いでゴールドカード、一般カードの順になります。
クレジットカードの審査基準とされる項目
クレジットカードの審査では個人の情報を総合的に審査し、カードの発行可否が判断されますが、チェックされるのは、主に次の2つの項目といわれています。いずれも個人の支払い能力を判断するための情報です。
属性情報
個人の社会的な立場や状況を把握するための情報です。年齢、性別、職業/勤務先、企業規模、雇用形態、勤続年数、役職、年収、持ち家の有無、居住年数、家族構成などが該当します。
信用情報
個人の借り入れ・返済に関する情報です。クレジットカードや各種ローンの申し込み履歴、契約内容、借入額、支払状況などの情報が該当します。返済が大幅に遅れたり返済が不可となったりといった金融事故を起こしていると、その情報も参照されます。
信用情報はカード会社が加盟するシー・アイ・シー(CIC)などの信用情報機関が管理しています。
クレジットカードの審査の流れ
クレジットカードの申し込みが行われると、カード会社はまず申込書(またはオンライン申し込みフォーム)に記入された内容を確認します。本人の申告による「属性情報」に基づいて、自社の該当カードの審査基準を満たしているかどうかを審査します。その際はスコアリングシステムと呼ばれる採点制が活用されるのが一般的です。
次に、カード会社によっては電話連絡をして本人確認、申し込み意志の再確認などを行います。会社員であれば在籍確認をすることもあります。
続いて、本人と自社の間で過去に取り引きがあれば、その履歴も確認します。そして信用情報機関に照会して「信用情報」による審査を行います。
他社のクレジットカード、銀行、消費者金融などからの過去および現在の借り入れ・返済に関する情報をチェックし、あわせて本人の申告内容に間違いないことも確認して、自社の基準と照らし合わせたうえでクレジットカード発行の可否を判断します。その結果、問題がなければカードを作成して本人に送付します。
クレジットカードの審査落ちとなる理由
クレジットカードの審査に落ちるときは、以下のような理由が考えられます。ただし、基本的にカード会社が理由を明らかにすることはありません。ここに挙げるのはあくまで一般論であることに留意してください。
属性情報が基準を満たしていない
収入が低い、勤続年数が短いなど属性情報がカード会社の基準を満たしていないと審査落ちになる可能性が高くなります。
一度に複数のクレジットカードを申し込んでいる
複数のカード会社に対して短期間に連続して申し込みをしていると、多重申込とみなされて審査落ちになることがあります。例えば1カ月以内に3社以上のクレジットカードを申し込んでいる場合などは要注意です。
多額の借り入れがある
現在、ローンなどを利用していて、多額の借り入れがある場合もカード発行が見送られることがあります。年収とのバランスを見て、返済が滞りなくできそうにないと判断されると審査落ちになる可能性が高くなります。
本人確認・在籍確認ができない
電話をしても本人と連絡がつかない、勤務先に電話をしても在籍確認ができないという場合も審査落ちになることがあります。在籍確認とは勤務先の本人あてに電話をかけ、本人が電話に出るかどうかを確認するものです。
ブラックリストに載っている
信用情報機関に事故情報が記載されている、いわゆる「ブラックリストに載っている」という状態は審査に不利に働きます。
たとえばクレジットカードやカードローンの返済を無断で遅延したことのある人、長期または複数回の延滞によって強制的に解約されたことのある人、任意整理を行った人は、以降約5年はその情報が残ります。また、自己破産を行ったことのある人は約10年間、情報が残っています。
クレジットカードを使ったことがない
カード会社やカードのランクによっては、初めてクレジットカードを作る場合も返済実績がないために審査落ちとなるケースがあります。
クレジットカードの審査に通るためのポイント
まず重要なのは、申し込みの記入内容に不備がないようにすることです。虚偽の申告はもちろんNGですが、勘違いなどで記入ミスをした場合も、事実と相違があると不利な材料となります。他社借入額などの項目がある場合は正確な記入を心がけましょう。
現在の借入額については、年収の3分の1以上もしくはそれに近い借金をしていないかが目安となります。「貸金業法」では、貸金業者に対して利用者の年収の3分の1を超える貸付けは原則禁止されています。これは総量規制と呼ばれるもので、クレジットカードのショッピング枠は対象外なのですが、審査に影響を与える可能性があります。まず借金を減らすことを考えましょう。
また、いわゆるブラックリストに載らないよう、日頃から返済の延滞などをしないことも求められます。携帯電話の分割支払いの延滞なども影響することがあります。信用情報機関では個人が自分の情報を確認することができます。気になる場合は情報開示を申し込んでみてください。
クレジットカードの審査に通るかどうか不安という場合は、この記事を参考に自身の状況をチェックしてみましょう。属性・信用情報に大きな問題がないというのであれば、申し込みの際の記入事項に間違いのないよう注意することが最も大事です。