クレヒスとは? 確認方法や傷をつける行為・回復についても解説
クレヒスという言葉を知っていますか? 「クレジットヒストリー」の略で、クレジットカードを利用するなら知っておきたい言葉の一つです。なぜなら、クレヒスに傷がつくと、自分自身の社会的信用が大きく揺らぐから。クレジットカードの申し込みをした際の審査にも影響します。この記事で、どのようなときに傷がつくのか、回復のためにはどうすればよいのかも含め、クレヒスについて解説します。どうぞ参考にしてください。
クレヒス(クレジットヒストリー)とは
まず、クレジットヒストリー、略して「クレヒス」の意味についてです。クレヒスとは「信用取引履歴」という意味で、具体的にはクレジットカードやローンの利用履歴を含む信用情報をさします。
信用情報とは、氏名、生年月日、連絡先などの個人情報と、クレジットカードやローンの利用履歴です。利用履歴には、契約内容や契約時の情報、カードを利用したショッピング履歴、キャッシングやカードローンの借り入れに関する記録など、金銭的なやり取りすべての情報が含まれます。支払いの延滞があれば、その事実が記録されますし、自己破産などの法的手続きも情報として記載されます。
ちなみに、クレヒスには「良い状態」と「悪い状態」があります。良い状態は、常に請求どおりに支払いができている状態、一方の悪い状態とは、支払いが滞るなど、利用者側に何かしらの不具合が生じている状態のこと。良い状態なら利用限度額がアップしたり、グレードの高いカードに切り替えられたりというメリットが生じますが、悪い状態だと、新しいクレジットカードが作れない、カードの更新ができない、銀行でのローンが組めないなど自分にとって不利な状況を招いてしまいます。
というのは、クレジットカード会社や金融機関は、クレジットカード発行やローンの申し込みがあった際の審査において、クレヒスを登録・管理している「信用情報機関」に確認を入れるからです。クレジットカードやローンは、支払い能力のある信用できる人でないと申し込めないというのが前提になっています。
クレヒスが登録される3つの機関
クレヒスが登録される信用情報機関は、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターの3つです。
CIC(株式会社シー・アイ・シー)は、割賦販売法と貸金業法というふたつの法律に基づいた国指定の信用情報機関です。おもにクレジットカード会社や信販会社がCICに登録し、クレジットカード申し込みをした人のクレヒスを確認しています。
JICC(株式会社日本信用情報機構)は、貸金業法に基づいた国指定の信用機関です。おもな加盟会員は、消費者金融や信販会社です。
全国銀行個人信用情報センターは、一般社団法人全国銀行協会が設置・運営に携わる信用情報機関です。銀行、信用金庫、農業協同組合などの金融企業が加盟し、住宅ローンなどの情報を提供しています。
自分のクレヒスの確認方法
クレヒスは、自分で確認することができます。気になる場合は、手続きをしてみましょう。各情報機関の流れを簡単に説明します。
CIC
CICは、インターネット、郵送、窓口で開示依頼をすることができます。ただし窓口は、新型コロナウイルスの影響で応じていない場合もあるため、事前に問い合わせをしてください。
インターネット上から依頼する場合は、まずインターネットの利用環境を確認します。OKであれば、クレジットカード発行の際に登録した電話番号から指定された番号に電話をかけ、受付番号を取得します。取得した受付番号で手続きをすると、信用情報開示報告書の閲覧ができるという流れです。郵送の場合は、信用情報開示申込書など必要書類を揃えて発送しましょう。いずれも手数料は、1,000円です。
JICC
JICCは、スマートフォンか郵送、窓口で開示依頼ができます。ただし、新型コロナウイルスの影響で窓口は応じていない場合もあります。
スマートフォンの場合は、専用のアプリをダウンロードし、指示に従って手続きをしますが、その際、本人確認書類や自撮り写真が必要となります。なお、開示結果は郵送です。
郵送依頼の場合は、信用情報開示申込書や本人確認書類など、必要書類を同封して送るという流れです。いずれも1,000円の手数料がかかります。
全国銀行個人信用情報センター
全国銀行個人信用情報センターでの確認は「本人開示」といい、受付は郵送のみ。登録情報開示申込書、本人確認書類、手数料1,000円を添えて送ると、結果も郵送で届きます。
いずれの信用情報機関も、ホームページに詳しく案内が出ていますので、開示を希望する場合は、そちらをご参照ください。
クレヒスに傷をつける行為
ちょっとした不注意がクレヒスの傷につながります。次のような行為には、十分に気をつけましょう。
まず、クレジットカード利用料金の支払い延滞です。ついうっかりしていて銀行の残高が不足していたという場合でも、延滞として記録が残りますのでご注意ください。
短期間の間にいくつものクレジットカード会社に申し込みをする多重申し込みも、クレヒスに傷をつける可能性があります。多額の負債、自己破産などの裏事情があるのではないかという疑念を持たれてしまうためです。また、キャッシングやカードローンの金額の多さも、クレヒスの傷の原因になることがあります。
クレヒスの回復
傷がついたクレヒスも、その後の心がけで回復することができます。悪いクレヒスが信用情報機関に残る期間は例外もありますが、基本的には5年間とされています。この5年の間に傷をつけるような行為をしなければ、クレヒスを回復させることができます。
クレヒスに傷がつくことは、ご自身の信用問題に関わるといっても過言ではありません。計画的な利用を心がけ、期日までにしっかりと返済しましょう。いったん傷がつくと、回復までに時間がかかってしまいます。
「クレジットカードのブラックリストとは? 確認方法や掲載期間についても解説」という記事でも信用情報機関について取り上げていますので、ぜひご一読ください。