クレジットカードのリボ払いとは? 仕組みとメリット・デメリット
クレジットカードで買い物をしたら、利用した代金は後で支払わなければなりません。クレジットカードの支払い方法には、1回払い、分割払いなどいくつかの方法があり、リボ払いも、その一つ。実際の店舗やネットショップなどで「リボ払いOK」というポップや広告をよく見かけますが、リボ払いとはどのような支払い方法なのでしょうか。仕組み、メリットとデメリットについて、解説します。
リボ払い(リボルビング払い)の仕組み
リボ払いは「リボルビング払い」を略した言い方で、アメリカやヨーロッパでは広く知られた支払い方法です。日本ではなじみが薄かったものの、最近では利用する方が増えてきています。
リボ払いの仕組みを簡単に言うと、毎月の支払金額を固定して返済するという方式。支払金額には、手数料も含まれています。形としては分割払いに似ているのですが、異なるのは、リボ払いが金額を固定して支払っていくのに対し、分割払いは回数を決めて支払う点です。
例えば、10万円のバッグを買ったとしましょう。リボ払いでは「毎月1万円」を返済額と決めたら、10万円+手数料を毎月1万円ずつ返していきます。一方の分割払いは、「10回払い」のように回数を決め、10万円+手数料を回数で割った金額を1回分として支払っていきます。
つまり、毎月の支払金額が一定になるリボ払いを利用すれば、資金にあまり余裕がなくても高額な品を手に入れられるということ。使いようによってはありがたいシステムですが、利用した分は必ず返済しなければなりませんし、利用金額によっては手数料がかさみます。最終的には、想像以上に支払い額が高くなることもあるので注意が必要です。
なお、リボ払いはクレジットカードのショッピングだけでなく、キャッシングの返済にも適用でき、ショッピング枠と合算したかたちで、設定金額が銀行口座から引き落とされます。ショッピングもそうですが、キャッシングも使いすぎると手数料がかさんでいくので、気をつけましょう。
クレジットカードのリボ払いの方式
クレジットカードのリボ払いの方式は、大きくふたつ。どちらの方式を取り入れているかはクレジットカード会社によって異なりますが、それぞれについて理解しておきましょう。
定額方式
定額方式は、設定した金額を毎月支払う方法です。例えば、支払金額を毎月1万円と決めたら、残高がなくなるまで1万円を支払います。
毎月の支払金額が決まっているという点は安心ですし、金銭管理も安定してできますが、利用残高に対して支払金額が少なすぎると、支払いが長期化することになりかねません。そうなると、手数料がかさむことになってしまいます。
残高スライド方式
残高スライド方式は、支払残高の金額のよって、月々の支払金額が変動する方式です。
例えば、支払残高が10万円未満の場合は支払金額1万円、10万円以上20万円未満の場合は支払金額2万円、20万円以上の場合は3万円という設定になっているとしましょう。
このとき、15万円のバッグを買ったとしたら、バッグ+手数料の支払残高が10万円を切るまでは毎月2万円を支払い、10万円未満になったら1万円になるということです。ただし、支払いの途中で新たな買い物をして支払残高が20万円以上になったとしたら、毎月の支払金額は3万円に増えます。
クレジットカードのリボ払いの利用方法
次に、リボ払いの利用方法についてです。方法は、いくつかあります。
一般的に広く使われているのは、クレジットカードでの支払い時に指定する方法です。「一回払い」「分割払い」も含めた支払い方式のなかから、リボ払いを選択します。
あらかじめ支払方法を「リボ払い」にしておくこともできます。クレジットカード申し込み時に登録するほか、後から登録内容を変更することも可能です。この登録をした状態でカードを利用すると、自動的にリボ払いが適用されます。リボ払い以外の方法に変更したい場合は、登録を解除すればOKです。
カード決済をした後に、クレジットカード会社に申し出て、リボ払いに変更することもできます。WEBサイトなどを通じて手続きが可能です。
クレジットカードのなかにはリボ払い専用のものもあるので、そういったカードを持つことも方法の一つです。ただし、リボ払い専用カードでは、ほかの支払い方法を選ぶことができませんので、カードを作る際は十分に留意しましょう。
クレジットカードのリボ払いのメリット
次に、クレジットカードでリボ払いを選択するメリットについて見ていきましょう。
一つは、毎月の支払額を一定に抑えられること。1回払いの場合、思いのほか利用金額が多いと請求額を知ったときに慌ててしまいますが、リボ払いであればその点は安心です。また、手持ちのお金はないけれど、どうしても必要な高額商品がある……というときにも、リボ払いなら入手できます。
クレジットカード会社にもよりますが、手持ちのお金に余裕ができたときに、全額あるいは一部を繰り上げて返済することもできる場合もあるので、その点もメリットといってよいでしょう。
クレジットカードのリボ払いのデメリット
次にデメリットについて見ていきましょう。
リボ払いには、手数料、つまり利息がかかることが一番のデメリットだといえます。金利はクレジットカード会社によっても異なりますが、リボ払いによるショッピング枠の相場は15%程度。支払金額を低くするとそれだけ返済期間が長くなり、利息もかさんでしまいます。
また、「毎月の支払額が決まっているから」と気持ちが大きくなり、ついクレジットカードを使いすぎてしまうことも、リボ払いのデメリットといえるかもしれません。利用した分は利息を含めて返済するわけですから、利用にあたっては計画性が必要です。
クレジットカードのリボ払いは、賢く使えば便利です。しかし、そのためには仕組みをきちんと理解しておくこと、メリットとデメリットを把握しておく必要があります。クレジットカードを利用したら、利用金額分は返さなければならないことを忘れないようにしましょう。そのうえで、支払方法の一つとしてリボ払いを検討してみてはいかがでしょうか。