クレジットカードの裏面のサイン・署名を書くときの注意点

キャッシュレスの時代、旅行や出張、インターネットショッピングなど、クレジットカードがあるとなにかと重宝します。作ったクレジットカードが手元に届いたら、刻印されている氏名に間違いがないかを確認し、カード裏面の署名欄にサインをしましょう。なぜサインをするのか、理由ももちろんあります。注意点も含め、サインの書き方について解説します。

クレジットカードの裏面にサインが必要な理由

クレジットカードにサインをする理由、それは、そのカードの持ち主、つまり利用する人が誰であるかをはっきりと証明するためです。同時に、カードを使うときの本人確認、カード利用の証拠としての役割も担っています。

クレジットカードを作るときには、利用者自身の職業や年収などを申告しなければなりません。カード会社はその情報に基づいて審査をし、「信用できる人物」と判断して信用保証し後払いが可能となるクレジットカードを発行することになります。
買い物をするときも、その信用があるから、現金を払わずに販売してもらえるわけです。サインはその信用を示すもの。ですから、サインのないクレジットカードは原則として使うことができないのです。

クレジットカードにサインをしないでいると、不正利用されてしまうというリスクもあります。
例えば、サインしないままのクレジットカードを持ち歩いていて落としてしまったとき、拾った誰かがサインをしてしまうかもしれません。サインにはどんな文字でも使えますし、フルネームでなければならないという決まりもありませんから、拾った人が好きなように書いて使うことができてしまうのです。
不正利用に対しては保険の適用もありますが、サインをしていなかったカードの場合は、保険適用が認められず補償が受けられないこともあります。

クレジットカードの裏面にサイン・署名するときの注意点

サインをするときは、油性ペンを使いましょう。油性ペンは消しにくく、なおかつ上書きもしにくいため、不正なサインの書き換えを防ぐ効果があるからです。ペンが太すぎると文字がつぶれてしまうので、その点だけ注意してください。
水性ペンやボールペン、鉛筆などでも書けないわけではないのですが、こすれてサインが読みにくくなってしまうこともありますし、他人の手にわたったときに消されてしまう恐れがあります。

サインは日本語とローマ字表記どちらがよい？

サインは日本語でもローマ字でもどちらでもかまいませんし、ハングルなどそれ以外の文字も使えます。

日本語の場合は、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字はゴシック体、筆記体、好みの文字で書いてかまいません。例えば名前が「花田花子」の場合、そのまま漢字で書くこともできますし、「はなだはなこ」「ハナダハナコ」「Hanada Hanako」など、どのように書いてもよいのです。
ただ、ローマ字は全世界共通で使われる文字なので、海外での偽造や不正利用防止を考えるなら、漢字にするほうが効果的といわれています。

ちなみにサインはフルネームである必要もありません。書き方に特に決まりはないので、姓だけでも名だけでも大丈夫ですし、イニシャルやニックネームなどでもかまいません。さらには、相手が読めなくても問題ないのです。例えばアルファベット筆記体のサインは、くずしすぎると読めないことがありますが、それでも大丈夫。
ただし、クレジットカードを利用するときには、カード裏面に書いたサインと同じサインをしなければなりません。ですから、そのときのノリで書いてしまったり、かしこまって丁寧に書いたようなサインではなく、ふだんから書き慣れているサインにすることがポイントです。

なお、海外ではクレジットカードとパスポートの提示を求められることがあるので、海外旅行で利用することを考えているのであれば、パスポートのサインと同じにしておくのがおすすめです。

売上票にはクレジットカード裏面と同じサインが必要

クレジットカードを利用した際は、売上表にサインを求められます。このときのサインは、カード裏面のサインと同じでなければなりません。「利用したのは、確かにこのカードの持ち主です」という証明ですから、自分以外の人に書いてもらうことはできませんし、あまりにも筆跡が異なると、利用を認めてもらえないこともあります。

クレジットカードの裏面のサインを書きなおしたい場合の対処法

サインの文字を書き損じてしまった……ということは、誰にでも起こりうることです。書類であれば二重線で消して訂正印を押すといった対応ができますが、クレジットカードでは、この方法は使えません。線で消すことを認めてしまったら、不正利用が増えてしまう恐れがあるからです。

もしも書き損じてしまい「修正したい」と思った場合は、カード会社に連絡をしてクレジットカードを再発行してもらいましょう。これは、書いたサインが薄くなって読みにくくなったときも同様です。持ち物の名前なら、上からなぞって書くこともできますが、クレジットカードでそれをしてしまうと、不正利用とみなされかねません。

クレジットカードの裏面にサインをすることは、カードを利用する者としての責任です。カード会社の信用を損なわないように、クレジットカードを手にしたらきちんとサインをしておきましょう。もし書き損じてしまったときには、速やかにカード会社に連絡をして再発行を依頼してください。便利なクレジットカードだからこそ、正しく利用することを心がけましょう。