クレジットカードを洗濯してしまった場合の対処法
クレジットカードを服のポケットに入れたまま洗濯してしまった、あるいは、クレジットカードの入った財布をポケットに入れておいて、財布ごと洗濯してしまったというとき。気になるのは、そのクレジットカードはまだ使えるのか、それとも使用できなくなってしまったのか、ということではないでしょうか。この記事では、洗濯したクレジットカードの対処をどのようにしたらいいのかについて解説します。
クレジットカードを洗濯してしまった! もう使えない?
クレジットカードを洗濯してしまったら、もう使うことはできないのか――とても気になるところですが、結論からいうと、通常の洗濯レベルであれば、カードを傷つけないように水分を拭き取って使える可能性は十分にあると考えられます。
洗濯をしたときの状況にもよるので「必ず使える」とは言い切れないのですが、クレジットカード本体は、PVC(硬質塩化ビニール)という素材でできています。PVCは、水に対して強さを持った素材です。またPVCは薬剤にも強く、ほとんど影響を受けることがありません。家庭向けの洗濯洗剤であれば、まず問題のないレベルです。
カード本体にはICチップや磁気ストライプも付いていますが、この部分もある程度の耐水性はあることがわかっています。
洗濯のあと乾燥機にかけてしまった場合も大丈夫?
では、洗濯を終えた後、そのまま乾燥機にかけてしまった場合はどうなのでしょうか。
この場合は、使えなくなっている可能性があるかもしれません。クレジットカードの素材は、水や薬剤には強いとお話しましたが、実は熱には弱いからです。
PVCの耐熱温度は、おおむね50~60度程度といわれています。乾燥機内の温度は、機種にもよりますが100度近い高温になるものも。しかも、乾燥にはそれなりの時間がかかります。高温の状態が長く続くわけですから、変形してしまう可能性がとても大きいのです。
変形したクレジットカードは、カードの読み取り機を通すことができません。つまり、洗っただけなら使える可能性は高いのですが、乾燥機にかけてしまうと、お店では使えない可能性のほうが高くなってしまうのです。
クレジットカードを洗濯してしまった場合の対処法
クレジットカードを洗濯してしまったことに気づいたら、まずカードを自然乾燥させましょう。あるいは、柔らかい布で水気をそっと拭き取ってください。目の粗い布でゴシゴシこすると、磁気ストライプやICチップを傷つけてしまう恐れがあるので、気をつけて。この部分に傷がつくと、使えなくなってしまいます。
カードを乾かしたら、変形していないか、磁気ストライプやICチップにキズはついていないか、サインやホログラムの状態は問題なさそうか、目で確認してみましょう。
そして、見た目では特に問題がなさそうだとなった場合、使えるかどうかを確かめる方法は、店舗での支払い時などに実際に使ってみるしかないというのが実情です。それで何ごともなく利用できれば、そのクレジットカードは以降も使うことができます。
もしも、目で確認した状態では問題なさそうだったけれど、使おうとして使えなかったというときは、目では確認できないほどの歪み、磁気ストライプやICチップの損傷が生じた可能性があります。その場合は、すぐに契約しているクレジットカード会社に連絡を入れて事情を伝え、カード再発行の手続きを取りましょう。
再発行までの時間はクレジットカード会社にもよりますが、だいたい1週間~10日程度かかります。また、再発行の手数料がかかることもあるので、手続きの連絡を入れた際、確認しておきましょう。
クレジットカードを洗濯してしまった場合の注意点
クレジットカードを洗濯してしまったとき、つい次のようなことをしてしまいがちですが、十分に気をつけましょう。
まず、乾かすとき。早く乾かそうとしてドライヤーを使うことは厳禁です。先ほどお伝えしたように、熱に弱いため歪んでしまう恐れがあります。
また、もしもサインが薄くて見えにくくなっていたとしても、書き直しはしないようにしましょう。上から書き直したあとがあると、カード改ざんの疑いをかけられてしまうことがあるからです。
また、洗濯後のクレジットカードに破損が認められた場合、そのまま捨ててしまわないように気をつけてください。必ずクレジットカード会社に再発行の連絡をとり、手続きがすんでから処分するようにします。先に処分してしまうと、カード番号、有効期限など必要な情報をカード会社に伝えることができず手続きに時間がかかってしまいます。
また、クレジットカードの処分をするときは、絶対にそのまま捨てないようにしましょう。第三者の手にわたれば、カード番号、有効期限などが知られてしまうだけでなく、磁気ストライプやICチップに書き込まれた個人情報が読み取られてしまう恐れもあるからです。
処分するときには、必ずハサミで裁断しましょう。それも、組み合わせることが不可能なくらい、細かくすることがポイントです。磁気ストライプ、ICチップの部分にも、しっかりとハサミを入れてください。そして、複数のゴミ袋に分け、別々の収集日に出すとより安全に処分できておすすめです。
クレジットカードを洗濯してしまったとしても、そのまま使用できる確率はかなり高いといえます。ついうっかり洗濯してしまったという場合は、お伝えした方法で対処してみてください。無事に使えればよいのですが、使えなかった場合は、クレジットカード会社に再発行の手続きを取りましょう。また、使えなくなったクレジットカードを処分するときも、十分に気をつけてください。