時差ぼけの直し方を原因や症状とあわせて解説
旅行や出張で海外に行くと「時差ぼけに悩まされる」という人も多いのではないでしょうか。時差ぼけは、人によってさまざまな症状を引き起こします。時差ぼけと気づかず、単なる体調不良ととらえる人もいるかもしれません。
時差ぼけを克服するには、その症状と原因を知ることも大切です。この記事を読んで、時差ぼけを防ぐためにお役立てください。
時差ぼけとは?
時差ぼけは、出発地と到着地の時差が5時間以上ある地域に、飛行機などで高速移動すると起こりやすいといわれています。
具体的に見られる症状、原因を確認しておきましょう。
時差ぼけの主な症状
時差ぼけの主な症状の一つが、夜になっても眠れない、日中に激しい眠気に襲われるといった睡眠障害です。
そのほか疲労感、イライラ、頭痛やめまい、集中力の低下、食欲不振、便秘・下痢など、心身の不調も時差ぼけの症状といわれています。
時差ぼけの原因
私たちの体には、活動時間と睡眠時間をコントロールする「体内時計」と呼ばれる機能が備わっています。
体内時計の周期は約25時間であるため、地球の周期と約1時間ずれています。
そのため、活動を始めるときには、体内時計をいったんリセットしなければなりません。そうでないと、毎日1時間ずつずれが生じてしまいます。
そのリセットのきっかけとなるのが、光です。日常では、朝日によって体内時計がリセットされ、光を感じながら体は1日の活動を開始します。
しかし、時差がある地域へ高速で移動すると、どうなるでしょうか。
2~3時間程度であれば体も対応できそうですが、5時間以上となると、出発地と到着地では、昼夜の関係が大きくずれ、体内時計と合わなくなってしまいます。
この体内時計の乱れが、時差ぼけの原因だといわれています。
ちなみに時差ぼけは、日本から西の方角に移動するよりも、東へ移動したときのほうが体内時計への影響が大きくなります。
例えば、お昼ごろの飛行機で出発した場合、西にあるロンドンは現地時間の夕方に到着しますが、東のロサンゼルスの場合は、現地時間の朝に到着します。
現地時間に合わせて行動する場合、ロサンゼルス到着後は睡眠時間が取りにくいといえます。
時差ぼけの上手な克服法【旅行前・旅行中】
時差ぼけは、うまく対処することで症状を軽くできる可能性があります。旅行前にできること、旅行中にできることを確認しておきましょう。
出発前の休養と睡眠
時差がそれほど大きくなく、滞在日数も短い旅程の場合は、出発前に睡眠時間を確保し、体を休めておきましょう。少なくとも前日、できれば2~3日前から休養が取れるとベストです。
数日前から段階的に調整する
時差が大きい地域で長く滞在する場合は、少しずつ睡眠時間の調整を始めておくと、時差ぼけを起こしにくくなります。
日本から西に行く場合は、1時間~2時間ずつ就寝時間と起床時間を遅くします。東に行く場合は、早く寝て早く起きる時間帯にシフトしていきます。
体内時計を現地に近づけることで、時差ぼけを抑えようという対策です。
事前に医師に相談する
行き先や体調によっては、海外に出かける旨を医師に伝え、睡眠導入剤など必要な薬を処方してもらうとよいでしょう。服用するか否かは状況次第ですが、持っていると、いざというときに安心です。
機内の過ごし方を工夫する
機内での過ごし方次第で、時差ぼけを軽減できる可能性もあります。
搭乗したら、時計を目的地の現地時間に合わせ、その時間を基準にして過ごすようにします。
特に、夜の睡眠時間が確保しにくくなる東側に向かう場合は、機内での睡眠時間確保に努めます。周囲の刺激を遮って眠りやすくするアイマスクや耳栓があると便利です。航空会社がサービスとして提供しているケースもありますので、事前に確認しておきましょう。
また、アルコールやカフェインの摂取は、控えたほうがよいでしょう。
現地で日光を浴びる
先ほどもお伝えしたように、日光は体内時計を調節するといわれています。朝や午前中に到着した場合は、太陽の光を浴びて体内時計を動かしていきましょう。意識的に体を動かすことも大切です。
帰国後の時差ぼけには休養を
時差ぼけは、現地に着いたときだけでなく、日本に戻ってきたときに起きることもあります。知らないうちに、疲れがたまっていることもあるでしょう。
帰国の翌日まではできれば予定を入れず、しっかりと体を休めるようにしましょう。予定を詰め込みすぎると、体に無理がかかりますので、気をつけましょう。
時差ぼけの治し方、症状や原因についてお伝えしました。時差ぼけは、体内時計が乱れることで生じるといわれています。時差が大きい地域に旅行する場合は致し方ないことといえますが、まったく対処できないわけではありません。旅程に合わせて自分の体を調整し、上手に対応しましょう。