左に添えた写真の織りでは、〝手締め〟という、仕事が行われています。上下に分かれた経糸の間に、1本の緯糸を渡し手前に引き寄せるとき、手締めでは、その都度都度、刀杼と呼ばれる板を渡し、これで糸を締めるのです。手締めは塩梅が肝要で、経験が求められ、くわえて通常の3~4倍も織り上がるまでに時間がかかります。けれど、こうしてうんと手間と時間をかけて織りあげられた帯には、なぜか、独特の柔らかさが宿るのです。これが、人の手による塩梅だけが生み出す風合い、なのでしょう。
ミンサーとは、綿糸を藍で染め、織る、細帯のこと。「ミン」は「綿」、「サー」は「狭」、を意味するといわれています。
そしてミンサーは、八重山の島々はもちろん、沖縄本島の首里や読谷でも、織られているのです。
では、八重山の島々のミンサーの特徴はといえば、それはなんといっても藍色の帯のなかに、白い四角形を4つ、5つと組み合わせる、リズミカルな絣紋様でしょう。なかでも竹富島の絣文様は明快で、じつに清々しいのです。そしてもうひとつ、この柄に込められた、「いつ(五)のよ(四)までも」という織り手の想い…。みんさーの絣文様は、身につける人への手紙、でもあるのです。
「竹富民芸館」へ入ると、トタン、ミシ、トタンカシャ、カシャ、ミシ・・・。島仲由美子さんが奏でる、手締め、の機音が聴こえます。
「昔から、竹富島のみんさーは分業制ではなく、糸の用意から織り上げるまで、すべての工程をひとりで行うんですよ」と、島仲さん。「だから昔の人は、機に糸をかけ終えたら、置き終えたら、こんな風に言ったのよ。〝あとは、機が織ってくれる〟って」。
分業制にすれば効率はあがる。それは分かるも、そうはしない。これが、竹富島の美意識。竹富島が美しい、その理由にも通じるのかもしれません。
- 竹富民芸館
-
住所/沖縄県八重山郡竹富町竹富381-4
電話/0980-85-2302
- あざみ屋・みんさー工芸館
-
住所/沖縄県石垣市登野城909
電話/0980-82-3473
http://www.minsah.co.jp/- ※2019年10月末のご利用分をもって、
JALカード特約店の契約を終了しました。
- ※2019年10月末のご利用分をもって、
-
島の人々が受け継ぎ、守り、暮らしてきた、唯一無二のこの町並み。竹富島のこの町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。大きく広がる赤瓦屋根は、強烈な太陽光から、島人たちを守ってくれています。
-
竹富島の集落に延びる道は、そのほとんどが未舗装の、白い砂を敷き詰めた小道です。日に一度涼しい朝のうちに、島の方々により箒で掃き清められ、足跡すらもなくなります。
-
屋敷を囲むのは、ゴツゴツとした隆起石灰岩の石積み。壊れやすそうに見えるかもしれませんが、とても頑丈で、台風の強風にも簡単には屈しません。家々はこの石積みと、フクギの防風林に抱かれ守られています。
-
嵐の日も、猛暑の夏も、この屋敷の家族の幸せを願い見守るシーサーはユニーク、かつ個性的。じつは、このシーサーたちの生みの親は屋根職人たち。屋根が完成した暁に、余った漆喰や赤瓦で作ってくれたのだそうです。
-
水牛の、麗しい瞳の視線の先には、やわらかな草。というわけでこのあと水牛さんは、つい、むしゃむしゃとお食事を。マイペースな水牛のリズムと、三線の音色と唄が、旅人の心を、島時間にリセットしてくれます。
-
歩けばサクサクと砂の音。自転車で凸凹の小道を走れば、ふっと子どもの頃のことを思い出したり。初めてなのに懐かしい。それもまた竹富島の風景です。
-
「竹富民芸館」の島仲由美子さんが大切にしていらっしゃる、大正14年生まれのお父様が寝巻きに締めていらした、みんさーの帯。ひと昔前まではどこの家にも機があり、その仕事の音が聴こえていたそうです。
-
「あ。きれいだな」と思ったら、ゆっくりと愛でられるのが、歩く早さの旅のいいところ。ハイビスカスの雌しべは、まるでベルベットのような風合い。
-
美しい海は見慣れているはずの島の人も、その色彩に思わずうっとりしてしまう、それが川平湾です。湾に寄り添う遊歩道や集落の散策をしたり、展望所から湾の全景写真を写したりと、のんびりと過したい、とっておきの場所です。
-
「川平マリンサービス」のグラスボート遊覧は、船底がガラス張りになっているので、泳がずして川平湾の海中をのぞき、魚やサンゴを観察できます。ボートの小窓の向うに広がる海の色〝カビラブルー〟もお楽しみください。
-
八重山かまぼこと細切りの豚肉が添えられた、「川平公園茶屋」の上品な八重山そば。辛味が得意な方なら、そばのスープに、食卓に並ぶ、川平の泡盛に島唐辛子を漬けて作るコーレーグースーを、ちょっぴり加えてみては?
-
「川平公園茶屋」では、ピパーツ(胡椒科)の赤く熟した実を天日干しにして、スパイシーな自家製香辛料を作っています。自家製で新鮮だからこその豊かな香りに魅了。八重山そばはもちろん、チャンプルーにもどうぞ。
-
「おじいちゃん、お父さんの味を大切に守っています」とは、笑顔が素敵な「川平公園茶屋」3代目の岸本亮さんの言葉。豚骨、鶏、削り節などからとった変わらぬ優しい味わいに、リピーターも多いのです。
-
海辺を彩る、ゆうな(オオハマボウ)の花。咲き始めは眩しいほどのレモン色の花ですが、夕方にはだいだい色へと変わるロマンチックな花です。
-
集落を散策すれば、重たそうにたっぷりと実る、小ぶりのバナナの姿に出会うことも。庭先に元気いっぱいに育つバナナ、ドラゴンフルーツ、グアバの姿に、ここが南の島であることを実感。
-
海辺を歩くと砂浜に…。この小さな木に、どういう物語があるのだろうと思いを馳せるのもまた愉しく。さまざまな植物の種が流れ着き、命が紡がれます。
- オーシャンズウイング
- 住所/沖縄県石垣市新川舟蔵2481-1
- 電話/0980-88-0030
- https://partner.jal.co.jp/shop/?tp=700859
- グランヴィリオガーデン
- 住所/沖縄県石垣市新川舟蔵2481-1
- 電話/0980-88-0030
- http://partner.jal.co.jp/sp_site/shop_program/?refID=jci&ck=0&tp=700859
-
-
石垣島一周ドライブ、離島めぐりにと、活動的に過したくなる八重山の旅だからこそ、旅の途中で一度、あえて〝静の時間〟を作りませんか。亜熱帯の植物たちが茂る緑豊かなガーデンに点在するガゼボでくつろぎ、風に揺られるヤシの葉音をBGMに、旅の翼をひと休み。朝食を楽しみ、本を読み、絵はがきをしたためる。過し方は、十人十色です。
-
-
オーシャンビュールームでのステイなら、窓の向うには、ブルーのグラデーションが美しい南の海が広がります。しかも行き交う船のあちらには、さっき旅した竹富島の姿が! 夜には、きらめく星たちと共に、離島に灯る小さな暮らしの灯かりがまたたき、旅情豊かなステイを演出。お部屋の窓を開ければ、波の音や潮風がふわりと流れ込みます。
-
-
石垣牛をメインに、島の素材を炭火でお楽しみいただくレストラン「石垣牛焼肉&ダイニング 琉華」。重厚かつ、南国情緒たっぷりな落ち着いた雰囲気ある空間で、ブランド牛として名高い石垣牛を、「琉華」自慢のタレや、石垣特産の塩でお召しあがりいただけます。定番のカルビ、ロースをはじめ、様々な部位を味わう贅沢な夜をお楽しみください。