日本の原点「奈良」にふさわしいホテル
「ホテル日航奈良」を紹介します。
「修学旅行で行ったよ、奈良」という人は多いはず。
だが、「覚えているのは大仏と鹿・・・かな?」という人もまた多いのでは?
でも、奈良をそれで済ませてしまうとしたら
あまりにもったいない。
大人だからこそ理解できる魅力にあふれている。
それが奈良なのです。
奈良旅はメジャーな観光名所が集中する北部に偏りがちですが、
魅力的なエリアは他にもたくさんあります。
春から夏にかけて訪れるなら吉野町、そして天川村がおすすめです。
春といえば桜。桜といえば吉野です。日本に桜の名所は数あれど、吉野山の桜は別格。
日本人なら一度は見ておきたい桜景色がそこに広がっています。
吉野は平安時代から千年以上もの間、桜の名所とされ、歌に詠まれ絵画に描かれてきました。吉野山の桜は、その数約3万本といわれます。これほど多くの桜が、これほど長く維持されているのは、吉野山では桜がご神木として信仰の対象とされ保護されてきたからです。
吉野山は、下千本、中千本、上千本、奥千本と4つのエリアに分かれます。桜は標高の低い下千本から順に綺麗な花を咲かせて行き、奥千本へと続きます。そのため、桜を長く楽しむことができます。
ちなみに、吉野山に咲く桜は大部分がヤマザクラで、ソメイヨシノではありません。名前にヨシノとありますが、ソメイヨシノは江戸時代に江戸で品種改良されたものです。野生のヤマザクラは多様性に富んでいて、遺伝的特質や開花時期のわずかな差で花の大きさや色合い、葉や新芽の色合いがひと色ではないため、吉野山の桜は山全体で見事なグラデーションとなり、絢爛豪華に咲き誇るのです。
金峯山寺(きんぷせんじ)、吉水神社(よしみずじんじゃ)、吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)、金峯神社(きんぷじんじゃ)と、4つの寺社も世界遺産になっています。
ただ、これらを訪れて感心するだけでは、学生時代の修学旅行と変わりません。大人の修学旅行を満喫するために必要なものは何でしょうか。それは予備知識と想像力です。吉野に関連する歴史をひもとき、登場人物たちの心情を思い描くことで、吉野山の景色や建築物が、ググッと心に迫ってくるはずです。
たとえば、金峯山寺は飛鳥時代(592年~710年)に修験道の開祖で鬼をも使役する法力を持っていたといわれる役小角(えんのおづぬ)が、金剛蔵王大権現の姿を山桜に刻んで、山上ヶ岳と吉野山に祀ったことに由来します。吉野山で桜が神木とされ、人々に大事にされてきたのは、そこからなのです。
同じく飛鳥時代、壬申の乱で知られる大海人皇子(後の天武天皇)は、皇位継承争いで身の危険を感じて山深い吉野に逃れました。また、兄・源頼朝の怒りを買った源義経が静御前と京から逃げ込んだのも吉野でした。金峯神社の裏手には、いまも「義経の隠れ塔」が残っています。そして、鎌倉幕府を倒した後醍醐天皇は、足利尊氏に反旗を翻されて京を脱出し、吉野に南朝を樹立しました。
金峯山寺(きんぷせんじ)、吉水神社(よしみずじんじゃ)、吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)、金峯神社(きんぷじんじゃ)と、4つの寺社も世界遺産になっています。
ただ、これらを訪れて感心するだけでは、学生時代の修学旅行と変わりません。大人の修学旅行を満喫するために必要なものは何でしょうか。それは予備知識と想像力です。吉野に関連する歴史をひもとき、登場人物たちの心情を思い描くことで、吉野山の景色や建築物が、ググッと心に迫ってくるはずです。
たとえば、金峯山寺は飛鳥時代(592年~710年)に修験道の開祖で鬼をも使役する法力を持っていたといわれる役小角(えんのおづぬ)が、金剛蔵王大権現の姿を山桜に刻んで、山上ヶ岳と吉野山に祀ったことに由来します。吉野山で桜が神木とされ、人々に大事にされてきたのは、そこからなのです。
同じく飛鳥時代、壬申の乱で知られる大海人皇子(後の天武天皇)は、皇位継承争いで身の危険を感じて山深い吉野に逃れました。また、兄・源頼朝の怒りを買った源義経が静御前と京から逃げ込んだのも吉野でした。金峯神社の裏手には、いまも「義経の隠れ塔」が残っています。そして、鎌倉幕府を倒した後醍醐天皇は、足利尊氏に反旗を翻されて京を脱出し、吉野に南朝を樹立しました。世に言う南北朝時代の始まりです。南朝の皇居となったのが、吉水神社です。また、吉野水分神社は、豊臣秀吉が子授け祈願し、秀頼を授かった神社。その秀頼が再建した社殿が現在まで残っています。金峯神社からさらに奥まった場所にある西行庵は西行法師が暮らしたという趣のある場所です。
日本史のヒーローたちが追われて落ち延びる場所が吉野であった理由は、実際に行くとよくわかります。現在は道路も舗装され歩きやすくなっていますが、下千本から奥千本までの高低差はけっこうなもの。昔なら、吉野の森はそれはそれは深く、道は険しかったことでしょう。追っ手をまくのに最適です。というわけで、大人の修学旅行なら、行けるところまで車を利用したいものです。歩きの場合でも、往路はバスかタクシーで奥千本まで行ってから、歩いて下りてくることを強くおすすめします。
大自然と歴史に育まれ、神秘が宿る「てんかわ」
吉野山のさらに南、紀伊半島の中央部に位置するのが天川村です。天川の名の通り、清流“天ノ川”が流れ、晴れた夜には満天の星と天の川を見ることもできる、大自然に恵まれた秘境です。霊場「吉野・大峯」として世界遺産にも登録された修験道の霊峰「大峯山」は、わが国の山岳信仰の聖地として1300年の歴史を刻んできました。山あいの集落には修験者たちの宿として発展してきた洞川(どろがわ)温泉街があります。コンビニが一つもない天川村ですが、渓谷、原生林、鍾乳洞、名水、温泉など、癒やしの宝庫なのです。
色彩とフォルムで癒やしてくれるのは、鍾乳洞の絶景です。天川村には、奈良県の天然記念物の指定を受けた2つの鍾乳洞があります。そのひとつ、総延長280mの面不動(めんふどう)鍾乳洞は、入り口が山の中腹にあり、歩いても行けますが、小さな面不動モノレールに乗り、急斜面を登って行くのがおすすめ。上から見下ろす洞川の町並みはなかなかの景色です。炭鉱のような入り口から鍾乳洞に降りていくと、そこはもう異界の空間。「羅漢窟(らかんいわや)」「権現窟(ごんげんいわや)」「ちりめん天井」などと名付けられた15の場所が、それぞれにLEDでライトアップされ、時間とともに色が変わるので、ずっと眺めていても飽きません。1cm伸びるのに要する年月は100年とも200年ともいわれる鍾乳石を見ながら悠久の時に思いをはせてみるのも良いのでは?
鍾乳洞を生み出した洞川温泉一帯のカルスト地形(石灰岩台地)は、もう一つの名物も生み出しました。花崗岩と石灰岩の特異な地層、そして原生林が雨水をたくわえることで、ミネラル分を適度に含んだおいしい水が湧き出るのです。「ごろごろ水」など3カ所からなる洞川湧水群は、環境省が認定した日本名水百選にも選ばれています。ごろごろ水採水場と駐車場を兼ねた「ごろごろ茶屋」には水を汲みに多くの人が訪れます。そして、ごろごろ茶屋を訪れたなら、すぐ近くにある「かじかの滝」にも行ってみましょう。みたらい渓谷ほどダイナミックではありませんが、こちらも優美で趣のあるすてきな場所です。
奈良県は優れた仏像が多いことで知られますが、天川村には、素朴で温かい仏像が見られる栃尾観音堂があります。全国に「円空仏」と呼ばれる木彫りの仏像を残したことで有名な江戸時代の修験僧・円空。行く先々の自然木を荒々しいタッチで彫る作風は、どこか優しさと温かみを感じさせ、見る人を惹きつけます。そんな円空の作品4体が、無料でわずか数十センチの距離で見られるのです。天川村の集落からは少し離れていますが、ぜひ訪れたい穴場的な場所です。
癒やしもいいけど元気が欲しいという人には、奈良有数のパワースポットとして名高い天河神社こと、天河大辨財天社(てんかわだいべんざいてんしゃ)がおすすめです。
その歴史も強力で、弥山(みせん)にある奥宮を役小角が創建したのがその始まりとされ、壬申の乱に勝利した大海人皇子が天武天皇として即位した後に神殿を造営したとも伝えられています。さらに空海も修行の折に参拝したといいます。仏教の弁財天と習合した市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を主祭神としており、弁財天は、水の神、弁舌・才智の神、音楽・芸術・芸能の神であり、後に転じて「財を弁ずる」商売の神としても信仰されるようになりました。現在は、多くの芸能人やミュージシャン、アーティストが参拝することで有名です。この神社は、「縁がない人は行こうとしてもたどり着けない」「来るべき時がきた人しか行けない」という伝説もあるようなので、挑戦してみてはいかがでしょうか。実際に行ってみると、拝殿の五十鈴や神前に奉納するための能舞台が印象的で、神秘的な雰囲気、清らかな空気が感じられる、こころ安らかになれる場所でした。
日本の酒造り発祥の地を訪ねて
奈良県桜井市にある三輪は日本の酒の聖地だという。お酒をたしなむ大人の修学旅行として、三輪の唯一の蔵元、今西酒造を訪ね、蔵主の今西将之さんにお話を伺った。
JR奈良駅に直結していて、バスターミナルもありますので、観光の拠点としては非常にいい場所ではないでしょうか。奈良公園や東大寺、春日大社などの世界遺産、あるいは地元で桜の名所として知られる佐保川も徒歩圏内です。
数年前から、東大寺、春日大社、興福寺、金峯山寺をテーマにした4つのコンセプトルームを設けています。それぞれのお寺さんや神社さんに監修していただきながら、書物や調度品などで、お寺や神社の雰囲気を感じていただけるようなお部屋になっています。
また、6階には温泉ではないのですが、ゆったりとお湯に浸かれる宿泊者専用浴場がございます。
「奈良にうまいもの無し」とよく言われますが、リピーターの方へのアンケートでは、当ホテルのグルメを楽しみに訪れるお客さまも少なくありません。特に朝食には力を入れておりまして、地元の名物を取りそろえた「奈良の朝ごはん」は、県内をあちこち歩き回らなくても朝食で少しずつ召し上がっていただいて奈良の味を感じることができます。中でも“粕汁”と“精進汁”は、興福寺さんの台所で長きにわたり受け継がれてきた味を料理長が忠実に再現した珍しいものです。
実は奈良はいちごがすごくおいしいんです。古都華(ことか)とアスカルビーというブランドいちごがあって、甘さも香りも本当に素晴らしい。ぜひ奈良で味わっていただきたい逸品です。
また、奈良には氷の神様を祀る氷室神社があることから、近年かき氷が盛んです。さまざまな店が斬新なかき氷を競い合っていますが、うちでも2種類のかき氷を1年中楽しむことができます。
奈良の魅力は、1泊2日では十分に味わえないと思いますので、ここを拠点に3日間、4日間と旅していただきたいですね。リピーターのお客さまは、毎回目的を持たれて何日か連泊される方が多いです。花を見に社寺を回る、大仏鉄道の遺構を歩いて写真を撮る、万葉集の歌碑を巡る、山の辺の道を実際に歩くなど、多岐にわたって楽しまれているようです。下調べされているお客さまが多いのですが、「今日、どこへ行こうか?」とお考えのお客さまには当ホテルでも情報をご用意しておりますのでお気軽にお申し付けください。四季を通じて奈良を楽しむお手伝いができるホテルでありたいと思っています。