TRAVEL COLUMN

TRAVEL COLUMN 2017.11 Macau/マカオ 代表的な観光スポットである「聖ポール天主堂跡」。1835年の火事で焼失してしまい、前壁と68段の階段だけが残されている。

整然と混沌が絡み合った唯一無二の魅力

渡辺 裕希子=文

 マカオ=カジノというイメージは根強い。確かにマカオは、今やラスベガスとトップの座を争う世界有数のカジノシティ。一流のエンターテイメント施設やブランドショップ、ホテルなどを併設した豪華絢爛なカジノリゾートが次から次へと誕生し、人々を眠れない夜へと誘う。しかし、ネオンが煌めく近未来的なエリアから少し離れると、マカオの違った表情が見えてくる。ポルトガル統治時代の瀟洒(しょうしゃ)な建物と、雑然とした漢字の看板が入り混じる、ノスタルジックな街並み。街の中心にある「セナド広場」や「聖ポール天主堂跡」などの世界遺産をめぐる散策はもちろん、露店が軒を連ねる裏通りで地元の人たちの日常に触れるのも楽しい。東洋と西洋、過去と現代、整然と混沌。それぞれが絡み合い、唯一無二の魅力を創り出している。
 香港からは、24時間営業の高速フェリーで1時間。アクセスの良さから香港の「ついで」に訪れる人が多いが、あまりにもったいない。マカオを目的とした旅へ。ゆっくりと過ごせば、知らなかった景色が見えてくるかもしれない。

「媽閣廟(マーコミュウ)」「許願球(ホイユンカオ)」

「マカオ」という名前の由来になったと言われる「媽閣廟(マーコミュウ)」。右の写真の「許願球(ホイユンカオ)」は、恋人同士や夫婦が長続きすることを願うお守り。

水上ショー「ザ・ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター」

シルク・ド・ソレイユの元プロデューサーが芸術監督を務める水上ショー「ザ・ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター」。高さ17メートルからのダイブや、オートバイによるアクロバティックなど、驚きの連続。

セナド広場と聖ポール天主堂跡をつなぐ通り

セナド広場と聖ポール天主堂跡をつなぐ通りは、いつも賑やか。土産店やレストランの上は一般の住居で、洗濯物が視界に飛び込んでくる。