TRAVEL COLUMN

渡辺 裕希子=文
その名前から小さな離島を想像していると、驚くかもしれない。1周約120kmの小豆島は、瀬戸内海に浮かぶ島々の中で2番目に大きい島。1年を通して温暖な気候に恵まれた島には、穏やかな海の眺めや変化に富んだ渓谷美、自然と歴史が育んだグルメなど、旅の醍醐味が詰まっている。
若い人々で賑わっているのが、潮が引いた時にだけ現れる砂洲の道『エンジェルロード』。「大切な人と手を繋いで渡ると、天使が舞い降りてきて願いを叶えてくれる」と言い伝えられるロマンチックな場所だ。紺碧の海と真っ白な砂のコントラストは、天国のような美しさ。恋人同士ならずとも、幸せな気持ちに包まれるだろう。
日本三大渓谷美の1つに数えられる『寒霞渓』(かんかけい)は、約1300万年前の火山活動によって作り出された神秘の絶景。ロープウェイに乗り込み、間近にそそり立つ奇岩怪岩、遠くに瀬戸内海を眺めながら5分間の空中散歩へ。春は山桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の表情も美しい。
『二十四の瞳映画村』は、映画のロケで使われていたセットを改築して作られた邦画のテーマパーク。物語の舞台となった教室に当時の机やオルガンなどがそのまま残され、窓の向こうには瀬戸内海が広がる。昭和初期を再現した村を散策しながら、名物の手延べそうめんや醤油ソフトクリームなどの食べ歩きも楽しめる。
小豆島へはフェリーで高松港から約1時間、新岡山港からは約70分。五感が解放される、癒しの島旅を満喫したい。

ひと休みしたくなったら、『道の駅小豆島オリーブ公園』へ。緑のオリーブ畑に白いギリシャ風車、青い瀬戸内海のコントラストが見事。オリーブ製品のお土産も手に入る。

邦画の歴史を紹介するギャラリーやブックカフェなどを併設した『二十四の瞳映画村』。昭和初期をイメージした建物が並ぶ通りでは、土産物のショッピングや食事が楽しめる。